以前にも読んだ「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」。
今回は久しぶりにこちらを再読した。
簡単にストーリーをおさらいする。
主人公のつくるは、高校時代に色を名前に持つ友人と知り合った。
これまで孤独であったつくるにとって、彼らと過ごす時間は何よりも大切なものであった。
それからつくるは駅を作るエンジニアとなるため、東京の大学に進学する。
一方、彼らは全員地元に残ることとなった。
進学後も、つくるは定期的に地元へ帰省し、彼らとの交流は続いていた。
そんなある日、カラフルな友人たちは、何の前触れも無く、つくるとの交流を拒絶した。
つくるは戸惑い苦しむが、理由はわからず、つくるはそんな状況に耐えた。
それから36歳となり、駅を作るエンジニアとなった。
ガールフレンドから、その理由を明らかにしたほうが良いと助言を受け、長年の疑問を解決するべく、彼は行動を開始した。
ざっくりまとめると、こんな感じである。
この本を初めて読んだのは確か20代の中盤?くらい。
まだ主人公の年齢には到達していないものの、以前に読んだときよりも、なんとなくリアルな物語であるように感じた。
高校時代にどんなに仲が良かったとしても、社会人になるとなんとなく疎遠になってしまうなんてことはよくある気がする。
また自分自身も、高校時代には見えなかったものが見えるようになり、逆に自由を失ったりする。
多くの人はそれを受け入れつつ、社会生活を営んでいく。
でも、中にはそれが「きつい」人もいる。
そのきつさは周りを少なからず巻き込み、疲弊したり、関係性を変化させたりする。
人生の悲しみみたいなものが、そこにはあるのかもしれない。
じゃあいつまでも高校生のように生きれたら良いのか?
そうかもしれないけど、それはなんか違う気もする。
それがどう違うのかはよくわからないけれども。