本日の本はこちら。
深淵でありながらも、平易な言葉で世界を表現する哲学者マルクス・ガブリエル。
コロナ禍を体験し、何を感じ、考えているのかをインタビューで語り、その内容をまとめたのが本書だ。
氏は倫理に関して、強い危機感を抱いているようであった。
テクノロジーが発展し、情報が氾濫している現代社会。
何が善で何が悪なのかを立ち止まって考えることが減った。
興味深いのが、倫理的価値と経済価値は一致しているということ。
僕のボキャブラリーではうまく言葉にできないが、倫理と経済はどこか一致しないという先入観があった。
より正確にいうと、倫理と経済を結びつけて考えたことがなかった。
でもベストなのは、倫理的に善いことが経済的にも善いことであるはずだ。
住みやすくて、居心地が良い社会ってそういうもののような気がする。
倫理的に善いことが、経済的にも善い社会をつくっていくことが大切だ。
気候変動問題は、まさにそこが問われている。
今後もこの人の思想には注目したい。