なんとなくタイトルに惹かれて読み始めたのが「40歳で社長になる」だ。
本書について、レビューでは賛否両論あるようだが、僕としてはなかなか読ませる内容だったと感じている
破壊的イノベーションを起こせる組織
この本で言いたいことは、「破壊的イノベーションを起こし続ける組織とは、どのようにあるべきなのか」ということである。
「40歳で社長になる」という言葉の意味は、
・テクノロジーに早くから触れてきた世代である
・長期的にリーダーを任せられる人材が求められている
という意味が込められているようだ。
コロナ禍も相まって、テクノロジーが凄まじい勢いで進化し、私たちの日常を支えてくれている。
もはやテクノロジーを抜きに、社会について語ることは不可能だろう。
そのような社会でリーダーシップを発揮しなけれならない社長が、「テクノロジーには疎くて・・・」なんていうことはもはや許されないだろう。
また社会はこれまで以上に複雑化している。
そのような時代の舵取りは、若くして厳しい意思決定をする経験を積み、デジタルにも精通しているリーダーが求められる。
複雑性の高い時代に、社長がコロコロと変わっていては、イノベーションは生まれない。
ダイバーシティの意味
印象に残っているのは、ダイバーシティとは属性ではないのだということ。
女性を増やす、とかそういうことではない。
多様な考え方を持った人材同士で対話し、化学反応を起こさせることが大切だ。
これからはスキル開発ではなく、機会開発というのも納得である。
もちろんスキルは大切だが、スキルそのものはもはやテクノロジーで代替可能である。
それよりも、アイディアを考えたり、課題を抽出したりできることに価値がある。
また厳しい環境で意思決定する力も必要だ。
リアルな現場には、よりリアルな人間力が求められる。
そのためには、多様で、かつ厳しい環境にどれだけ飛び込んだかが重要だ。
その機会をどれだけ作っていけるか、即ち機会を開発していくことが、組織・個人の双方に重要となってくる。
チャーミングであると言うこと
著者は「チャーミングさ」も大切な要素だという。
優秀な経営者はどこかチャーミングな人物であることが多いらしい。
ではチャーミングとは何か、というと「余白」と表現していた。
完璧すぎる人物は、確かに優秀かもしれない。
でもそれは、完璧すぎるが故、場合によっては周りを萎縮させたりすることもあるだろう。
それよりも、少し頼りにならなかったり、おっちょこちょいな部分があった方が、「支えてやるか」と周りは思うだろう。
余白とは、そのような「他者が介入するスペース」のようなところなのかもしれない。
それと関連して「素直であること」も必要な要素だ。
素直であることは、チャーミングと重なる部分もあり、これだけ変化が激しい時代だからこそ、素直に色々と経験しようとする姿勢が大切だ。
まとめ
あちこちで言われていることであるが、これまでの価値観を変えていくことが求められている。
まだ40歳には少し時間があるが(そう思っているとあっという間に訪れるんだろうな)、素直に学んでいく姿勢、他者の考え方を尊重していきたい。
また自分の専門領域に留まらず、越境した学習をしていきたい。
自分が40歳になっている時、社長になっているとは考えられないが、時代に合ったリーダーシップをとれる人間にはなっていたいと思った。