今回は身体抑制について考えてみたい。
そもそも身体抑制ってなんだろうか?
読んで字の如く、対象者が動けないように対処すること。
具体的には紐やベルト等の使用が頭に浮かぶ。
では国ではどう定義されているのか。
身体拘束とは「身体的拘束その他入所者(利用者)の行動を制限する行為」
と定義されている。
具体的にどのような行為が抑制に該当するのか、11個の行為が挙げられている。
その中で気になったのが
- 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるようないすを使用する
- つなぎ服を着せる
- 向精神薬を過剰に服用させる
- 車椅子テーブルをつける
またこの特集で述べられていた「スピーチロック」。
歩行が不安定な方がいすかた立ち上がると「危ないから座ってください」という言葉による行動抑制だ。
「見守り」という名の「見張り」が行なわれているのではないか。
筆者はそのように問題提起をされていた。
何が言いたいのか。
無自覚に身体抑制をしている場合が、往々にしてあるということだ。
前述したことは医療や介護の現場でよく見かける場面である。
抑制が対象者の尊厳を奪ってしまう行為であることは自覚している。
ただここで綺麗事を言うつもりもない。
詳細は割愛するが、身体抑制をしないと仕事にならなかったりすることもあるのだ。
それでも無意識に抑制をかけるような対処をしてしまっていることに、我々医療者…いや全ての人たちが自覚する必要がある。
紐やベルトだけが身体抑制ではない。
対象者の視点が抜け落ち、自分たちの都合で管理しようとしたとき、その行動は身体抑制となっているのではないか。
自分の行動・言動を振り返らなければならないと感じた。