先日開催された、マナビフェス2019に参加してきました。
「マナビフェス?」と思った方もいるかと思いますので、簡単に紹介しておきます。
僕も初参加だったのですが、小・中・高・専・大の学校教育、または企業の人材育成・教育関連企業に携わる人々が集まり、日頃の成果や講演を聴いて語り合う、そんな会です。
要は、「人を育てる」ことに関心のある人たちによるフェスです。
今回の目的は
- 自分たちの実践をポスター発表するため
- 人を育てることに関する最新の知見を学ぶため
です。
ポスター発表
はじめは一参加者として参加するつもりだったのですが、「ポスター発表者募集」という文章を目にして勢いで申し込んだ結果、無事に採択されたので発表することができました。
学会での発表と異なり、まず参加者の興味を引くような内容でなければ見にきてもらえない。
そのためポスターではこれまで以上にビジュアル重視でいきました。
テキストは極力排除しました。
会場で他の施設の内容をチラ見してみると、興味深そうなテーマ・内容が目白押しでした。
これは皆さん来てくれないかもな、と思いました…が、何人かの心優しき人が足を止めてくれまたした。
台詞を練習してきましたが、本番では役に立ちませんでした。
学会とちがい、目の前に参加者がいて質問もバンバンきます。
さながら「知の格闘技」です。
付け焼刃の予習は意味がありませんでした。
必死に自分たちの実践をプレゼンしていました。
その甲斐あってか、その後も何人か来てくださり、一時間半ぶっ通しでプレゼンでした(授業よりも厳しかった…)。
ポスター発表で学んだことは、自分たちの専門領域ばかりで凝り固まっててはダメだということ。もっと外に目を向けて発信していかなければいけないということ。
今回は医療関係ではなく、小・中・高の教員や企業の方とたくさん語り合うことができました。
外から自分たちの実践を見つめ直すことで、改めて気づくことがたくさんありました。
これからも外に向けて発信し続けていきたいです。
また発表だけでなく、第一線で活躍されている先生の講演を聴講しました。
「見える化」から始まる学校づくり
立教大の中原先生の講演を聴けました。
これはまさにホットなテーマです。
学校現場では教員の長時間労働をなんとか短くしよう、と様々な取り組みがなされています。
学校に入ってみて感じたのが、予想以上に教員の仕事って幅広いということです。
中原先生は「学校づくりの4ステップ」というものを提唱されていました。
①見える化
②意識あわせする
③対話する
④ビジョンを実践する
ここで大切なのが、テーマにもあるように「見える化」です。
学校は複雑なパズルのようなものです。
言葉では説明しにくい大変さがあります。
だからこそ、意識的に見える化する必要があるのです。
データで見える化しなければ、建設的な対話はできっこないのです。
忙しさを理由に、ついついデータとして記録に残すことを疎かにしてしまいがちです。
そうではなく、いかにスムーズにデータを取るか、そのデータをどう活用するか、意識的に取り組んでいきたいと思いました。
人生100年時代のキャリアと働き方
これもホットなテーマです。
社会が大きく変わり、これからは自分でオリジナルティなキャリアを作っていくことが求められる時代です。
印象に残ったのが3つあります。
1つ目が「キャリア・オーナーシップをもつ」です。
これまでは企業(医療であれば病院)が年に1~2回面談し、「あなたにはこのようなキャリアパスがあるけどどお?」という話をする時代でした。
しかしその前提となるのは、そこにずっと勤めていればということです。
これからは雇用の流動化が進みます。
移動が前提となり、個人が自分のチカラでキャリアを築いていかなければならないのです。
でも本来、人生は自分で作りあげていくものです。
僕はこの言葉をポジティブに受け取っています。
自分オリジナルティのキャリアを作っていけると思うとワクワクしませんか?
2つ目が「リフレクションの視点を強調した新社会人基礎力」です。
社会人基礎力は2006年に経産省で発表されたものです。
教育に携わる人であれば聞いたことがある人は多いと思います
しかし今は「人生100年時代の社会人基礎力」というものが提唱されているそうです(2018年に発表)。
自分の実践をやって満足ではなく、リフレクションすることを通して「意味付け」していきましょう、ということです。
詳細は忘れてしまいましたが、長年活躍できる人の特徴として、「自分の仕事に意味を見出せている」ことが挙げられているそうです。
そのためには実践ばかりではダメで、振り返ることで意味付けていく時間を取ることが大変重要になってきます。
3つ目が「教員自身がキャリア・オーナーシップをもち、自分の言葉で語る」です。
一番刺さりました。
社会に出てからキャリア教育では遅く、学校教育からキャリア教育をしていくことの重要性が語られていました。
もちろんそれも大切なのです。
ただ学生に一番響くのは、最も近くにいる教員や先輩が実践していることだと思います。
学生にキャリア指導をしているのに、自分がオーナーシップを持てていないと、それは本末転倒のような気がしています。
まずは自分が持つこと、それはきっと学生にも何らかの形で伝わると信じています。