同僚の先生が読んでいたので、気になってポチった本がこちら。
この本はアップル製品を用いて、ICT教育を推進しよう!みたいな本ではない。
なぜ教育にテクノロジーが必要なのか?教育にテクノロジーを活用する意味とは?
ということを考える機会を提供してくれる本だ。
筆者のジョン・カウチはアップルの教育部門初代バイス・プレジデント。
次世代の教育のリーダー的役割を担っている人物である
この本でたびたび出てくるキーワードがある。
リワイヤリング
である。
日本語に訳すと「配線のやり直し」である。
なぜリワイヤリングが必要なのか。
これまでの教育に求められていたものと現在では明らかに異なりすぎているためである。
以前は「言われた通りにやる」ことが美徳とされた。
受験では効率よくたくさん暗記したほうが勝ち。
インターネットが登場したことにより世界は変わった。
これからは「創造性」が求められる。
考えてみれば当たり前の話だ。
人間は機械じゃない。
覚えたくても興味があれば覚えられない。
ミスしたくなくても、ミスしてしまうこともある。
しかしこれまでの教育は、そこを求めた。
これからは違う。
一人一人の関心に寄り添った学びを支える教育が必要だ。
印象的な文章がある。
①ものごとの効率を向上させる
②ものごとの効果を少しばかり改善する
③学習経験そのものを変える
3つ目の「学習経験そのものを変える」が刺さった。
僕なりにテクノロジーを授業でも活用しているが、③の効果を強く実感している。
テクノロジーをうまく活用できた授業では、学生はとても楽しそうに学んでいる。
学生の反応が全然違う。
「テクノロジーはツール」という言葉があるが、現実にはツール以上の影響がある。
テクノロジーを活用する次元を、改めて考え直す時代に突入している。
教員となったからには、テクノロジーから逃げずに活用していきたい。
自分なりのペースで良いから、テクノロジーを学び続けていきたいと改めて思わせてくれる本だった。