Nursing&Education&Technology

看護とインストラクショナル・デザインを中心に、備忘録として残すブログです

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看護師が医療・看護・教育工学について語ります。

書評:生きがいなんか仕事にするな

本のタイトルがなかなかのインパクトだったので、そのままnoteのタイトルにも引用させていただいた。
今回読んだ本はこちら。

 

概要

タイトルはキャッチーでも、中身はさまざまな哲学や文学を引用しながら、なぜ仕事を生きがいにしてはいけないのか?というテーマを深く掘り下げていく。

結論からいうと、とてつもなく面白い。
1回だけでなく、時折読み直したくなる本であった。

僕なりの解釈だが、「仕事を生きがいにするな」の裏には、もっと人間らしくいきようよ!という著者のメッセージが込められている気がする。

何もスケジュールを立てない

皆さんは、最近スケジュールになんの予定もない日があっただろうか。
いや、むしろ無意識のうちにスケジュールを埋めていってはいないだろうか。

著者曰く、即興性というものが大切なのだと説いている。
要は、なんの計画にもなしに、あれこれ思いつくままにやってみることを指す。

考えてみれば、子どもの頃というのは、いちいち予定を立てるまでもなく、毎日楽しく遊んでいたはずだ。
それが大人になるにつれ、そうしたことが難しくなる。
社会に出たり、子どもをができたりすると、それが難しいのも当たり前かもしれない。

ただ予定を立ててしまうと、その瞬間瞬間を味わう、ということを難しくしてしまうのかもしれない。
予定を立ててしまうと、つい予定を中心に動いてしまい、思考もそのようになってしまう。
予定がないことで、いわゆる遊び心は生まれるのかもしれない。
時間に遊びがないと、遊び心が生まれるはずもない。

働く意味

夏目漱石の「それから」を引用しながら、働く意味について言及されている。
働く意味は成人期の人にとって大きな意味のあるテーマである。
これは自分にも言えるのだが、「働く」ということに対して、過度に自分らしさみたいなものを求めすぎていないだろうか。
タイトルにも通じる話であるが、仕事という文脈は限定的であり、そこのみで自分らしさという極めて個別的な事柄を充足させるのは無理がある。
考えてみれば当たり前ではある。

まとめ

働き方というか、今後の自分の生き方を見つめ直さざるを得なくなる。
気がついたら80歳で、自分の生き方なんて考えてこなかった、なんてことがないようにしたいと感じた。