かなり当たりな本。
この本の主張を一言で表すと「生きることを豊かにするビジネスへの転換」といったことだろうか。
経済合理性ではなく、人間性(ヒューマニティ)に根ざした社会を創っていくことが大切だと筆者は述べている
物質的な不足というものは、もう解決されている。
実際、安価で丈夫な物は簡単に手に入る世の中になった。
そうゆう意味では、企業活動の役割である「物質の不足の解消」は達成された。
ではもう誰でも快適に、そして豊かに暮らせる社会になったのかというと、そうではない。
物質的な不足とは別の次元で、まだまだ豊かとはいえない社会である。
これまでと同じ価値観、つまり経済合理性を追求していても、現代の私たちが感じている違和感は解消されない。
いや、むしろ助長されるだろう。
そこで立ち返るのは、極めて根本的な部分である人間性(ヒューマニティ)である。
それは人間を人間たらしめているものである。
美しい景色を観た時に感じる感動や、困っている人を見かけたら「助けたい」という気持ち、そういったことである。
現代社会は情報過多で忙ない。
しかし情報に振り回されている場合ではなく、本来私たちが持っている人間性を社会で取り戻していく時代だと筆者の主張を受け取った。
SDGsが企業活動のキーワードとなっているのは、そういう意味で良い流れなのかもしれない。
いつまでも経済合理性を追求していては、SDGsで掲げる「サステナビリティ」な社会をつくっていくことは難しい。
社会を変えるのは1人のリーダーではなく、自分たち一人一人の心のあり方である。
本書を読んで自分はこれからどうしていきたいか。
・好きなことをやる
・嫌いなことをやらない
・チャレンジし続ける
・アンテナを張る
・情報に踊らされない
・日記をこれからも続ける
・本を読む
・遊び心を忘れない
といったところか。
これまでとそんなに変わらない気がするが・・・
「日記をこれからも続ける」は大切にしたい。
日記を書くと自然に内省される。
内省とは、すなわち自分との対話である。
自分との対話を通じて、「自分はこれをやっている時はノっているな」「これは全くやる気にならないな」ということがわかってくる。
自分の好きなこと・嫌いなことってわかってそうで、意外とわかっていなかったりする。
ヒューマニティに根ざすには、自分の心の声に耳を傾けることが大切になってくる。
1日に1回は自分と対話をして、自分の好き・嫌いをゆっくり考える時間をつくりたい。