最近は専門書系を読むことが増えたので、少し息が抜ける本がないかなと探していた。
クチコミを見て、「これは良い本だ」と直感的に感じてポチったのがこちら。
著者は渋谷で働くバーテンダー。
ご自分のお店を持たれて、なんと23年になるとのこと。
店内にはアナログレコードで音楽を流し、小説も書いているらしい。
まるで村上春樹の小説に出てくる登場人物を地でいくような人生。
そんな著者がcakesという雑誌で長らく書いてきた「こういう大人になってほしいなあ」という思いから書いた文章を、まとめたのがこちらの本になる。
僕も気がつけば大人と言われる年齢になったわけだが、大人って何かと聞かれても今ひとつピンとこない。
ちょっと考えてみようかな、ということで読み始めた。
自慢と嫉妬
自慢や嫉妬について書かれていた章があったが、僕が最も嫌で、そして気をつけなければいけないと感じているのが自慢と嫉妬。
若者からしたら、大人の自慢ほど「どうでもいい」ものはないんじゃないか。
僕が尊敬する大人な人は決して自慢しなかったし、そういう人は他人に対して嫉妬なんてしない。
この本には、「自慢はラインを決めてしまっている人」であり、「嫉妬は自分を過大評価している人」とあった。
確かに自慢をする人って、逆に言えばそれしかないというか、自慢しないと自分を保っていられないのかもしれない。
嫉妬は…そう、自分を過大評価してしまっているがゆえに出てくる感情なんだよな。
「自分の方が上なのに、あの人の方が評価されてる!」なんていうのはまさにそれ。
書いているだけで、何だか悲しい気分になってきた。
誠実であり謙虚であること
じゃあ大人ってなんだろうか。
それは誠実であり、謙虚であること。
ごくごく当たり前すぎることかもしれないが、実践するのはなかなか容易いことではない。
でも人として誠実である人は、やっぱり信頼もされる。
謙虚な人ほど学び続け、いつまでも成長していく。
本書の後半にこんなことが紹介されている。
最後に、ある人からこんなことを言われました。「若い人に憧れたいっていう発想が一番キモい」うーん、もう何も言えません。
若い人に憧れたいっていう大人に憧れるか、と言われたら、確かに憧れない・・・だろう。
誠実に、謙虚に、自分の人生をしっかり生きている人に憧れる。
自分もそんな風に年齢を重ねていきたいと、あらためて感じた本であった。