今更ながら、前田裕二さんの「メモの魔力」を読んだ。
著者はとにかくメモ魔らしい。
それはなぜかというと、言語化してはじめて思考できるということからである。
誰でも、普通は事実や聞いたこと、時にアイディアなんかをメモするだろう。
しかし著者はそれだけではない。
具体で捉えたことを抽象化し、さらに他の分野へ転用できるか、というところまで落とし込む。
具体と抽象の往復をしているわけだ。
これはある意味研究のプロセスと似ている気もする。
具体で捉えたことを抽象化し、それをどうインパクトのある言葉で表現するか。
その際、異質な組み合わせで表現できると心をつかみやすい。
本書で紹介されていたのは、
良質な無神経
無神経だけだとただの迷惑であるが、そこに「良質な」が合わさることで「どういうこと?」と関心が湧く。
メモだけでなく、プレゼンにも活用できるスキルである。
プレゼンは「ストーリーを語ることで惹き付けられる」ということが色々な本やYouTubeでいわれている。
このストーリーを語るときも、まずは抽象度の高いところから入ることで、聴衆のこころをキャッチできる。
本書の魅力は、メモの大切さはもちろんのこと、「メモをとること」の概念をアップデートさせたことにあるように感じた。