Nursing&Education&Technology

看護とインストラクショナル・デザインを中心に、備忘録として残すブログです

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看護師が医療・看護・教育工学について語ります。

集中力はいらない?

集中力はいらない。

この本のタイトルに引かれた自分がいた。

 

集中力はいらない (SB新書)

集中力はいらない (SB新書)

 

 


なんて言われたら、みなさんはどう思うだろうか?

 

いやいや、そんなはずは!
と僕は思った。


巷に溢れるビジネス書は、集中力をどう高めるか、という切り口だし、
親や先輩方にも集中しろ!と言われたら経験がある方も多くいるだろう。

 

まず間違ってはいけないのは、この本は別に集中力がいらない言っているわけではない

自分のやるべきことがあるなら、集中すべきだ。

 

その上で、筆者はこう述べている。

 

「集中」とはすなわち、人間に機械のようになれという意味なのだ。集中力というと聞こえは良いけれど、言い換えれば「機械力」が相応しい。人間らしさを捨てて、脇目も振らず、にこりともせず作業をしなさい、ということである。

 

 

では機械にはできなくて、人間にできることは何か。


発想だ。

そして発想は集中力ではなく、思考があちこち分散している時(例えばリラックスしてる時など)に得られる。
つまり、大切なのは分散力だ。

集中と真逆の概念。


自分の生活を振り替えってみる。

 

最近、思考したことはあっただろうか?


どうでもいいニュースを流し読みしてわかった気になったり、SNSで周り人間の日常と比べてたりはしてはいないか?

 

僕は大学院への進学を考えている。
そんな僕に求められるのも、分散力だ

なぜなら、研究テーマを考えなければいけないから。
研究テーマこそ、発想の極みかもしれない。
現象に対して、まだ世に出ていない問いを立てること。
問いの質が、研究を左右するのではないか僕は考えている。

テーマさえ決まれば、あとはやるだけだ。

 

研究に限らず、あちこちに分散しながら思考することで、インスピレーションやアイディアが生まれる。

最も価値があることって、集中して効率よくやった成果物ではない。
分散力の結果、生まれてきた副産物なのではないだろうか。

 

歩きスマホではなく、歩きながら思考しよう。

 

そこで生まれる疑問。


思考するとは?

 

なんとも掴みづらいテーマだ。
正直言って、面倒くさいから皆避ける。
だからこそ価値がある。

それぞれスタイルはあるだろが、


具体→抽象


と考えを拡張すること。具体はそれ以上何も生まれない。
抽象化した知見は応用が利き、新たな疑問が生まれ、発展するかもしれない。

現実の世界は、どうでもいい具体で溢れている。

きっとこのタイトルに引かれたのは、そんな自分に疑問を抱いていたからなのだと思う。


思考することで、自分の世界を深めていきたい。