Nursing&Education&Technology

看護とインストラクショナル・デザインを中心に、備忘録として残すブログです

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看護師が医療・看護・教育工学について語ります。

p値の意味がなんとなくわかった

統計処理している文献を読んでいると大体出てくるのがp値。

正直なところ…p値・95%信頼区間 etc...謎の単語が出てくるだけで文献を読むモチベーションが下がってしまっていた。

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ただ…

このままではいかん!

と思い始めた今日この頃。

いつまでも向き合わずに逃げてしまってはいけないと思い、なんとか統計というものを少しでも理解しようと奮闘し始めた。

 

実際にp値はどのように使われているのか?

 

 

tatsuro-1989.hatenablog.com

 

今読んでいる文献が

" ICUで重症患者に日記を渡すとPTSDの発症が減少する "

という趣旨である。

 

ちなみにPTSDとは?

PTSD心的外傷後ストレス障害Post-Traumatic Stress Disorder)とは、実際にまたは危うく死ぬ、深刻な怪我を負う、性的暴力など、精神的衝撃を受けるトラウマ(心的外傷)体験に晒されたことで生じる、特徴的なストレス症状群のことをさします。

 

*1

この論文の中で、

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下から3行目にp=0.02とある。

 

この文章を翻訳してみる。

 

結果:352人の患者を一ヶ月で無作為化してみた。新規PTSDの発生は何もしていないグループに比べて、介入群(つまり日記を渡したグループ)で減少した(5% versus 13%, P=0.02)。

結論:ICUダイアリーを提供することは、精神的な回復を促進し、新規PTSDの発症を減少させるのに効果的である。

 

はい、p値がいます!

この文献を元に、p値とは何かを整理してみたいと思う。

 

p値とは何か?

先日に行ってきた勉強会によると

p値とは帰無仮説が成立する確率

とある。

帰無仮説

 

帰無仮説とは何か?

帰無仮説とは

「グループAとグループBに差がない」という仮説のこと。

なんで否定形なんだろう…

 

この研究で言えば、

ICU日記を渡したグループと、渡していないグループで差がない」という仮説が帰無仮説ということになるか。

 

p値が0.05(=5%)を下回ると"差"がある。

即ち、帰無仮説は間違っている→グループ間で差はない

ということになる。

 

この論文だとp値が0.02と0.05以下であるため、グループ間で差があると結論付けているのである。

 

ちなみにp値が小さくなるのはグループ間で差がある場合だけではないらしい。

サンプル数が多いと小さくなってしまうとのこと。

この辺りの理由は、僕にはよくわからない。

 

「p値だけで判断してはいけない」と聞いていたのは、そのためなのか?

 

統計をガンガン扱っている人からすると浅い記事だろうけど、個人的には少しスッキリした。

 

以上です。

 

 

 

 

 

*1: 日本トラウマティック・ストレス学会HPより